建設材料部門

平澤研卒業テーマ

平澤研究室のOBの皆さんに

 平澤研究室は本年3月でちょうど20年を経過しました。この間に、多くの諸君が卒業研究生あるいは大学院生として私の研究に協力してくれました。昨年10月に研究室のOB会(桃園会)を開きましたが、80名以上の出席をいただきました。卒業生記録にあるように合計では290名になり、今年度は300名の大台に達します。1年間だけの卒業研究を通じて、どの程度の人間的お付き合いが出来たかは解りませんが、私自身は30才から40才、50才と変化し、その時々に出会った諸君は私に対する印象が異なっている筈です。しかし、私自身はその時の自分のすべてを諸君にぶつけるという態度は変わっていないと考えます。私から何かを汲み取っていただきたい。そして、将来に生かしていただきたい。結局、そうすることより、また、そう願うより仕方がなかったとも言えましょう。  

 300名近い卒業生の顔と名前は殆ど覚えていますし、年賀状で近況を知らせてくれる150名については、現在の家族状況も知っています。建設会社の社長、自営の会社の後を継いだ人、自分でコンサルタントをは開いた人、国家公務員、地方公務員、研究者を目指す人、そして最も多くの諸君が実際の現場で建設業に携わって活躍されています。残念ながら病気や交通事故ですでに亡くなられた人も何人かいます。いずれも昨年のことであるが、技術士となった岡本氏(S50)、プロゴルファーとなって中部オープンで優勝した川瀬氏(S57),名工大大学院を卒業して豊田高専に就職した河野氏(H2)、そして、公務員として愛知県へ本山氏(H2),三重県へ北氏(H4),岐阜県へ三島氏(H4),が就職されました。今年は金子氏(H5)が愛知県に入りました。 

 お蔭様でこの20年間で卒業生からの依頼で仲人をさせていただいたカップルは9組になりました。また、結婚式に出席させていただいた数は多すぎて数え切れません。有難いことです。

 現在の平澤研究室は、以前と変わりなく18号館の片隅で実験を行っています。毎年10名前後の卒業研究生と夏の海水浴、冬のスキー旅行を楽しみにして、コンクリート供試体を作り、それを破壊することに汗を流しています。ただし、内容はだいぶん変化しています。まず第一に卒業研究を行う部屋が昨年から冷暖房完備になったこと、第二に研究設備が大型化・高性能化したこと、コンピュータ・パソコンの利用が進んだことなどです。また、第三に供試体の作成方法は相変わらず手作業が多いが、供試体の数が以前に較べて約半分になっていることです。したがって、卒業研究による拘束時間も約半分から1/3に減少しています。以前はよく研究室に泊り込みで実験を行ったものだが、最近はずいぶんと少なくなりました。実験そのものに長時間を要しなくなってきたことも関係しています。以前は、クリープ試験とか疲労試験など時間のかかる実験が多かったが、最近は振動台を用いた地震波形入力による動的試験が多くなったため、実験の時間は短くて済むが、得られるデータが大量となり解析と整理に多くの時間を要するようになっています。そのためにテータアナライジングレコーダやパソコンの使用が不可欠となっています。また複雑な動的挙動を取り扱うため、非線形挙動解析用の大型電子計算機も大いに利用されています。さらにワープロの発達がめざましく、卒業研究の論文の図・表はもちろんのこと、本文もワープロ文字に変化しています。10年前と比べるとまさに隔世の感があります。

 それに対して卒業研究学生の諸君の人間としての性質は殆ど普遍と感じられます。違いといえば、酒の無茶のみをしなくなったこと、カラオケ(以前はなかった)が好きなこと、歌にリズム感があり、菓子にやたらと英語が入っていること、女の子に優しい(弱い)こと位でしょう。他人に対する思いやり(遠慮?)や人間に対する優しい心は強くなってきていると思われる。一歩で、自分の生活を重視し、同様に他人の生活を重んじる余り、他人に無関心な面が見られ、本当に困ったり、悩んでいる友人を救えない場合があり問題もあると思う。いつの時代でも真の友人を作ることの難しさであろうか?

 平澤研究室は今がちょうど道半ばであり、順調に推移すればあと20年続くことになる。そうすれば単純計算では卒業学生は600名となるが、今後大学生の数が減少することを考慮しても500名程度には達することとなろう。その時は、私は70歳の老人となっているが、卒業生諸君はさらに立派に成長されておられるだろうし、大学もさらに充実・発展していることだろう。社会に巣立った諸君が活躍している姿を見ることが、教師としての最大の楽しみである。

 ところで諸君は”平塾”をご存知か?平澤研究室卒業生の心の中にある”塾”である。卒業の際名簿に名前を書いた諸君もいるだろうが、書いてなくてもよいのだ。要は諸君が中部大(あるいは中部工大)の土木の平研を卒業されたことに大いなる誇りを持って活躍されることが、平塾の塾生の資格なのだから。

 今後の諸君の御健闘を大いに期待し、また祈念いたしております。私も20年後に平澤研究室卒業生が500名に達するよう頑張り続けます。そして到達した暁には皆で集まって大いに飲んで語ろう。(当然のことながら300名、350名、400名、に到達のときも集まることとしよう。)